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被相続人の預貯金――相続人全員の合意がなければ、おろせない!?
2018.07.27

2016年12月19日、最高裁大法廷にて『普通預金債権等が相続の開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはなく、遺産分割の対象になる』ということが決定しました。

つまり、被相続人が亡くなった場合、普通預金・定期貯金などの被相続人の預貯金は、“遺産分割協議をしなければ(=相続人全員の合意がなければ)払戻しができない”と決まったのです。

なお、この判決はこれまでの最高裁判例を変更したもので、相続問題に大きな影響を与えるものとなりました。では、判決から約1年半が経過した今、実務上どのような影響が出ているのでしょうか?

預貯金の取扱い
従来と何が変わった?

預金者が亡くなって相続が発生した際、従来は、銀行に対する預貯金債権は『相続の開始と同時に当然に、共同相続人間で相続分に応じて分割される』と解されていました。

これはどういうことかというと、

たとえば、父親が4,000万円の預金を残して亡くなり、母親・長男・次男の3人が相続人だった場合、父親が遺言書を残していなければ、母親が2分の1、長男と次男がそれぞれ4分の1ずつ相続する権利があります。

この場合、これまでの判例では父親が亡くなって相続が開始したのと同時に、父親の預金債権は母親に2,000万円、長男と次男にそれぞれ1,000万円ずつ分割されると考えていました。

つまり、それぞれが自分の相続分(母親なら2,000万円、長男と次男ならそれぞれ1,000万円)を銀行に払戻請求をすれば、“単独で払戻しを受けることができる”とされていたのです。

ところが、今回の最高裁決定を受けて、預貯金債権は“相続の開始と同時に分割されず、遺産分割協議を経て分けなければならない”とされました。

つまり、たとえば母親が自分の相続分である2,000万円について銀行に払戻請求をしたとしても、“長男と次男の合意がなければ払戻しを受けることはできない”という取扱いになったのです。

金融機関での
例外的取扱いが皆無に!?

なお、従来の預貯金の取扱いの下でも、ほとんどの金融機関が、相続人の1人から預貯金の払戻請求があったとしても、他の相続人全員の合意がなければ払戻請求に応じることはありませんでした。

なぜなら、金融機関は、払戻請求を受けた相続について“遺言書が存在するのか”、“相続について欠格事由はないのか”などの情報を知ることができないため、窓口に来た人が“本当に払戻しを受けてよい相続人なのかどうか”を判断できないのです。

そのため、二重払いのリスクを負わないためにも、相続人全員の合意がなければ預貯金の払戻しを受け付けていませんでした。

ただし、以下のような場合には、相続人全員の合意が得られなかったり、遺産分割協議が進まなくても、先に預貯金の払戻しを受けられないと困ってしまうでしょう。

・相続人の生活費や治療費を捻出しなければならない場合
・被相続人の葬儀費用・公共料金・税金を支払わなければならない場合 など

そのため、このような場合には、わずかではあるものの例外的に預金の一部払戻しを認めてくれる金融機関もありました。
しかし、2016年の最高裁決定を機に、例外的な扱いを認めない傾向を強めています。

手元資金が必要な場合は
どうすればいい?

なお、2016年の最高裁決定の補足意見では、相続人において至急手元資金が必要になった場合、『仮分割の仮処分』という手続を利用するよう促しています。

これは、裁判所に対して緊急の必要性がある事情を明らかにし、預金債権を仮に分割するよう求めるものです。

しかし、裁判所の手続を利用しなければならないため、利用する相続人にとっては不案内なことも多く、手間やコストがかかってしまいます。

そのため、万が一のときに手元資金がなくて困らないためにも、 事前に一部現金化しておいたり、遺言書の作成や信託の利用による相続対策をしておくことが重要です。

なお、現在審議されている民法改正(相続分野)では、遺産分割前でも相続人による預金の仮払いを認める制度が盛り込まれる見通しです。
ただし、現時点では、どこまで相続人にとって使いやすい制度になるのかは不透明なので、今後の動向に注目する必要があるでしょう。

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