当たり前のことですが、
個人事業主であれ中小企業であれ、オーナー企業であれば、経営権と企業財産のほとんどを、経営者が所有しているはずです。
このため、事業自体の承継だけでなく、
資産の承継も必要になります。
さらに、経営権の事業承継には、
従業員や経営者のご家族の理解と後継者の育成が必要になります。
これには長期的な準備が必要であることから、事業承継の準備は早ければ早いほど良いと言われています。
ところが、多くのケースではギリギリになってから準備をすることが多いようです。
書類提出後には、
融資担当者による面談があります。
「資金をどのように使うのか」「どうやって返済をするのか」といったことを聞かれます。
この面談で好印象を与えるのが、融資を成功させるポイントのひとつです。
というのも、融資担当者の仕事量が膨大で、
面談での印象が悪ければ稟議にかけてもらえない可能性があるからです。
提出書類の不備もないようにしましょう。
2017年の小規模企業白書によると、事業承継の一番の問題点は事業の引継ぎまでの準備不足と言われています。
その中でも、後継者の選定から了承を得るまでに、全体の6割のケースで1年から3年かかり、約4割のケースで3年以上かかっています。
これは、事業承継が長期化していることを表しています。
また、経営権を承継するためは、株式を後継者に継承しなければなりません。
しかし、株式の継承方法を間違えると、高額な税金が課税されて、経営にも支障が出る可能性があります。
中小企業庁では、
今後おおむね60歳を超えた経営者に対して、円滑な事業承継を進めるために、国や自治体で支援していくとされています。
準備の段階で重要なことは、
『プレ承継』とも言われる経営状況と事業承継の課題を把握することです。
経営状況の把握とは、
客観的に自社の強みがどこにあるのかを把握することです。
一方、事業承継の把握とは、
後継者の有無、相続財産の特定や税額の試算、親族内株主や取引先との後継者の関係などを把握することです。
現状を把握するだけでも非常に時間がかかるため、
事業承継は10年ほど前から考える必要があるのです。
また、事業承継には専門家のアドバイスが欠かせません。
まずは、準備段階として、専門の税理士に依頼をすることから始めてみましょう。
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