『令和2年度税制改正大綱』における 資産税の変更点

『令和2年度税制改正大綱』における資産税の変更点

自由民主党と公明党が発表した『令和2年度税制改正大綱』、資産に関わる税金に関していえば不動産関連の税金の軽減延長が増えました。それでは、具体的に何が延長されたのか、制度化されたのかを見ていきましょう。

※2019年12月12日時点での内容であり、以降変更される場合があります。また、制度利用には、一部条件、法律改正・施行が条件となっているものがあります。

【制度化】
1.空地空家に対する課税徴収の措置

市区町村は、登記上の所有者が死亡していて、相続登記がされていなくても、実際に所有しているとみなされるものに対し、固定資産税の申告などをさせることができる。また、所有者が明らかにならない場合は、実際の使用者を所有者として固定資産税を課することができる。

【制度拡充】1.
農地に係る納税猶予制度(法改正前提)

農地等に係る相続税・贈与税の納税猶予制度について、特例適用農地等の範囲に、三大都市圏の特定市の市街化区域内に所在する農地で、地区計画農地保全条例(仮称)による制限を受ける一定の区域内に所在するものを加える。

【延長】
1.医業継続に係る納税猶予制度(法改正前提)

医業継続に係る相続税・贈与税の納税猶予制度等を3年延長する。

2.保存登記や抵当権設定の登録免許税の軽減措置
下記特定の不動産に関して、登録免許税の軽減措置を2年延長する。
●住宅用家屋:所有権保存登記・所有権移転登記・抵当権設定
●特定認定長期優良住宅:所有権保存登記
●認定低炭素住宅:所有権保存登記
●特定の増改築がされた住宅用家屋:所有権移転登記

3.住宅に係る固定資産税の減額措置
次の住宅に係る固定資産税の減額措置を2年延長する。
●新築住宅
●新築の認定長期優良住宅
●耐震改修された住宅
●バリアフリー改修を行った住宅
●省エネ改修を行った住宅

4.不動産取得税の減額措置
下記住宅・土地に係る不動産取得税の減額措置を2年延長する。
●新築の認定長期優良住宅 
●新築住宅特例適用住宅用土地

【制度軟化】
1.貸借対照表・損益計算書の添付

相続税・贈与税における下記の届出書等について、貸借対照表・損益計算書の添付を要しないこととする。
●非上場株式などについての相続税・贈与税の納税猶予における継続届出書など
●担保が保証人(法人)の保証である場合における延納申請書
●非上場株式を物納する場合における物納申請書

2.国外財産に関する制度
●相続直後の国外財産調書等への記載を柔軟化(令和2年分以後)
●国外財産調書の提出がない場合の過少申告加算税などの加重措置の見直し

【延長・制度拡充】
1.NISAに対しての措置

●つみたてNISAの非課税措置の勘定設定期間を5年延長
●一般NISAの勘定設定期間終了に合わせ、特定非課税累積投資契約(仮称)に係る非課税措置を創設