納税者が死亡しても確定申告は必要 相続人が行なう準確定申告とは

納税者が死亡しても確定申告は必要 相続人が行なう準確定申告とは

自然人は、毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた所得について、

翌年2月16日から3月15日までの間に確定申告をする必要があります。

しかし、年の途中で亡くなった人は、どうなるのでしょうか。今回は、『準確定申告』について説明します。

 

準確定申告の期限は?相続人が複数いる場合も

 

所得があり、課税の対象となる人が年の途中で亡くなっても、その年の分の確定申告は必要です。

すでに亡くなった納税者が自分で確定申告をすることはできないため、

その場合は、代わりに納税者の相続人

(包括受遺者を含む。以下、「相続人等」と表記します。)が1月1日から死亡した日までの所得を計算し、

確定申告を行うことになります。これを『準確定申告』と呼びます。

準確定申告については、一般的な確定申告とは違ったルールが設けられています。

たとえば父親が2021年の10月1日に亡くなった場合、相続人である息子は、

父親の所得について2021年分の準確定申告を行う必要があります。

 

では、父親が2022年の1月に亡くなった場合はどうでしょうか。

この場合、息子は2021年分と合わせて2022年分の準確定申告を行うことになります。

そこで重要になるのが、確定申告の期限です。

準確定申告の期限は、前年分、本年分とも相続の開始を知った日の翌日から4カ月以内となります。

また、父親が亡くなり、2人の息子が相続人となるなど、相続人等が複数になることもあります。

この場合、原則として相続人等の連署によって準確定申告書を提出します。

もし、一部の相続人等が準確定申告を行う場合には、準確定申告書にほかの相続人等の名前を記載し、

申告した内容はほかの相続人等にも通知しなければなりません。

 

準確定申告でも所得控除を受けることができる

 

一般的な確定申告で、医療費控除や社会保険料控除などを受けることができるのと同様に、

準確定申告でも、所得控除を受けることができます。

準確定申告による所得控除の適用は、その年の1月1日から亡くなった日までの計算となり、

生命保険料や地震保険料などの物的控除は、死亡日までに支払われたものが対象となります。

 

また、被相続人が生前に支払った医療費は、医療費控除の対象となります。

ただし、被相続人が入院先で亡くなり、被相続人が亡くなった後に相続人が支払った医療費などについては、

準確定申告における医療費控除の対象にはなりませんので注意が必要です。

しかし、被相続人と相続人が死亡時に生計を共にしていた場合は、

相続人の確定申告では控除の対象になりますので、覚えておきましょう。

 

準確定申告は、申告期限を過ぎると延滞税や無申告加算税が課される可能性があります。

期限内に申告を済ませられるよう、相続が開始したら早めに準備を始めましょう。

 

 

『令和4年度税制改正大綱』における贈与税・固定資産税の変更点とは?

自由民主党と公明党が発表した『令和4年度税制改正大綱』。

今回は、『住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置』が2021年度に引き続き延長となり、

住宅ローン減税は控除率・期間ともに変更となりました。

ここでは大綱の一部を抜粋してお伝えいたします。

(2021年12月10日時点での内容であり、以降変更される場合があります)

 

贈与税の非課税期限は延長受贈者も18 歳以上に引き下げ

 

【延長】
住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置が延長

父母・祖父母などの直系尊属が、

子や孫に住宅取得を目的とした資金を贈与した際に適用される非課税措置の適用期限を、

2023年12月31日まで2年延長。

非課税限度額は、住宅用家屋の取得等に係る契約の締結時期にかかわらず、

住宅取得等資金の贈与を受けて新築等をした住宅用家屋の区分に応じた金額とする。

 

●耐震、省エネまたはバリアフリーの住宅用家屋:1,000万円

 

●上記以外の住宅用家屋:500万円適用対象となる既存住宅用家屋の要件について、

築年数要件を廃止するとともに、新耐震基準に適合している住宅用家屋であることを加える。

また、受贈者の年齢要件を現行の20歳以上から18歳以上に引き下げる。

 

【延長・拡充】
住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除(住宅ローン減税)は、

適用期限を2025年12月31日までの4年延長し、控除率は現行の1%から0.7%へと引き下げる。

新築住宅の控除期間は、10年から13年へ延長する(ただし、中古住宅については延長なし)。

適用対象者の所得要件は3,000万円から2,000万円へと引き下げる。

 

地価が上がった商業地 課税標準額の増加を半減

 

【措置終了】
固定資産税の据え置き特例措置が終了

2021年度は新型コロナウイルスの感染拡大で地価が下がり、土地所有者の負担が重くなったことから、

固定資産税の価格が上昇していた場合には、課税額を1年間据え置きとしていた特例措置が終了。

 

【負担軽減】
土地に係る固定資産税額の負担調整措置

地価が上がった商業地の固定資産税負担軽減策として、2022年度に限り、

負担水準(土地の課税標準額が評価額に対してどの程度まで達しているかを示す数値)が

60%未満の商業地等の課税標準額の増加を、現行の5%から2.5%に抑制。

2021年度の課税標準額に2022年度の評価額の2.5%を加算した額とすることで、

固定資産税の税額上昇分を半減させる(ただし、当該額が評価額の60%を上回る場合には60%評価額とし、

20%を下回る場合には20%相当額とする)。

 

 

これから投資を始める人に債券投資の基礎知識と留意点

株式や不動産投資など、投資商品にはさまざまな種類があります。

それらの商品のなかで、比較的リスクが少ないのが債券投資です。

今回は、投資による資産運用を始めたいと考えている人にとって

最初に始めやすい債券投資のポイントを紹介します。

 

債券投資の大きなメリットは基本的に元本割れしないこと

 

債券とは、国や地方公共団体、企業などが資金調達の際に発行する証券です。

債券を購入すると利払い日に利息が支払われ、満期となる償還日を迎えたときに元本が払い戻されます。

債券投資の大きなメリットは、償還日まで保有しておけば基本的に元本割れしないことです。

また、銀行の定期預金よりも高金利なことや、

個人向け国債は1万円程度の少額から購入できる点などもメリットです。

 

一方で、株式投資や不動産投資などに比べるとリターンが低くなりがちですし、

償還日前に手放すと元本割れのリスクもあります。

債券の発行元が破綻した場合には元本を回収できない可能性があることもデメリットといえます。

 

債券投資を始める前に知っておきたいポイント

 

債券は取引価格に購入手数料が含まれているため、基本的に手数料はかかりません。

ただ、別途手数料を設定している証券会社もありますので、

証券会社を選ぶときには手数料の有無も調べるとよいでしょう。

また、発行元の破綻リスクを回避するためにも、

発行元の信用度や経営の安定性なども考慮しておきたいものです。

 

そこで役に立つのが、機関別格付表です。ムーディーズやS&P(スタンダード&プアーズ)などの

格付会社が定期的に発行元の信用力を調べており、

BBB以上を破綻リスクの低い『投資適格』

BB以下を破綻リスクの高い『投機的格付』といったように細かくランク付けを行っています。

情報を集めて慎重に判断しましょう。