相続税は正しく申告を! 追徴課税の対象となる例を紹介

相続税は正しく申告を!追徴課税の対象となる例を紹介

相続税の申告の際に注意したいのが、『追徴課税』です。

申告漏れがあり追徴課税されると、本来納めるべき税金以上の額を納めなければならなくなることがあります。

今回は、追徴課税についての解説をするとともに、追徴課税にまつわるトラブル事例を紹介します。

 

追徴課税は『即刻一括納付』 場合によっては分割払いも

 

現金や預貯金、有価証券、宝石類、土地、家屋などの遺産を相続した相続人は、

一定の条件に該当する場合には相続税を申告する必要があります。

しかし、本来申告が必要なのに申告をしなかったり、

申告すべき額よりも少ない額を申告し、それが発覚したりすると追徴課税されます。

 

追徴課税は、通常の納税期限とは異なり、納付期限が数カ月先ということはなく、

すぐに納付しなければなりません。また、一括納付が基本です。

それが難しい場合、税務署で相談すると分割納付が認められるケースもありますが、

それはあくまで例外といえます。

 

さらに、追徴課税される場合は、本税のほかにも過少申告加算税や無申告加算税、

延滞税などが追加されることがあります。

 

追徴課税が発生しがちなトラブル事例2つ

 

財産を隠す意図はなくとも、追徴課税されてしまうことがあります。よくある例を2つ紹介しましょう。

 

一つは、遺産分割協議がまとまらないケースです。

相続税の申告は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10カ月以内に行うことになっています。

この期間に、相続財産や相続人の確定、さらには遺産の分割方法までを決める必要があります。

しかし、協議がまとまらないうちに申告期限を過ぎてしまい、

「隠すつもりはなかったけれど、追徴課税されてしまった…」といった場合です。

 

このようなケースは、一旦、法定相続分に従って相続税を納税し、

話し合いがまとまってから改めて、税金の追納や還付を受けるのがよいでしょう。

 

もう一つは『名義預金』にかかわる追徴課税です。

名義預金とは、口座の名義人と、預金のお金を出した人が異なる預金のことです。

親が子どもの名前で口座を開設していたり、子ども名義の通帳の一切の管理を行っていたりすると、

その口座が名義預金とみなされてしまうことがあります。

 

名義預金と判断されると、預金の名義は子どもになっているものの、

預金そのものは親のものとみなされ、贈与税や相続税の対象となることがあります。

その結果、あとから、追徴課税される場合があるのです。

 

これらの事態を避けるためにも、早めに専門家へ相談してはいかがでしょうか。

 

 

そもそも『金利』とは?『名目金利』や『実質金利』についても解説!

近年、「将来へ備えよう」といった意識の高まりから、資産運用を始める人が増えてきました。

なかでも低リスクで堅実な資産形成が期待できるとして、長期投資への注目が集まっています。

今回は、投資などの基礎知識である金利について解説します。

 

1年以上か1年未満か?長期金利と短期金利の違い

 

そもそも『金利』とは、お金を一定期間貸し借りする際に必要な「手数料」のことといえます。

たとえば100万円を1年間借りて手数料が5万円の場合、金利は年5%となります。

 

この場合、貸し手から見ると100万円の5%=5万円の利益が出ます。

貸した側が受け取るこの5万円のことを『利息』といい、反対に借り手から見た場合は『利子』といいます。

金利は手数料の割合を示すものであり、利子・利息は、5万円という手数料の金額そのものを示す言葉です。

 

さらに、類似用語として『利回り』があります。

これは投資額に対する利益全体の割合を一定期間あたりの平均で示したもので、

『利回り5%』などと使います。

 

金利の基礎知識として、『長期金利』と『短期金利』も整理しておきましょう。

1年未満の貸し借りに適用されるのが短期金利、1年以上の貸し借りに適用されるのが長期金利です。

 

短期金利は金融政策によって決定されます。

日本の中央銀行である日本銀行は、景気が過熱気味のときは『利上げ』によって景気を抑え、

景気が停滞すると『利下げ』をして景気を浮揚させようとします。これが金融政策です。

 

短期金利は、利上げ・利下げといった金融政策によって決定されています。

一方、長期金利は物価の変動や各国の金融政策の推移など、長期的な経済予想によって変動します。

景気が悪くなれば低くなり、景気がよくなれば高くなるという傾向があるため、

その時点での経済状況を知る指針の一つにもなっています。

 

変動金利と固定金利とは?実質金利と名目金利の違いも

 

金利タイプの種類、『固定金利』と『変動金利』、

『名目金利』と『実質金利』についても整理しておきましょう。

固定金利は借入時に設定した金利が、返済完了まで変わらないものです。

一方、変動金利は市場の動きを反映して上下します。

金利上昇リスクがある変動金利は、固定金利よりも低いのが一般的です。

 

次に『実質金利』と『名目金利』について解説します。

たとえば定期預金の金利が1%から2%に上がると、

単純に利息として受けとれる金額が増えることになります。

しかしインフレで物価が2倍以上に上がってしまったら、利息が増えても家計は楽にはなりません。

このように、数値として示される金利を名目金利と呼び、

インフレ率を考慮して計算された金利を実質金利と呼びます。

証券会社や経済用語で金利という場合、名目金利であることがほとんどですが、

景気の動向などを測るには実質金利に注目する必要があります。

 

今回は、意外と正確には知られていない金利の基礎知識について整理しました。

資産運用などの際には、改めて確認しましょう。

 

 

相続税の基礎控除はどのように計算するのか?

相続税を試算するときには、誰しも基礎控除がいくらか気になるものです。

基礎控除の金額は、一律で決まっているのではなく、相続が開始するごとに計算します。

今回は、相続税の基礎控除について解説します。

 

相続税の基礎控除は法定相続人の数で異なる

 

相続税の基礎控除の計算式は、以下のとおりです。

3,000万円 + (600万円×法定相続人の数)

 

基礎控除の金額は2013年の税制改正により、2015年1月1日以後の相続から4割減額されました。

今後も法改正によって基礎控除の金額が変更することがあるため、

試算をする際には、最新の情報を得るようにしましょう。

 

では、基礎控除の計算を具体例に沿って確認します。

前述した計算式のなかで問題になるのは、『法定相続人の数』です。

たとえば、ある男性が亡くなったときに配偶者が妊娠中だった場合、お腹の中の胎児も相続人となります。

しかし万が一、相続税の申告期限までに出生しない見込みの場合は、

胎児がいないものとして相続税を申告し、出生した後に、

出生日の翌日から4カ月以内に、修正申告または更正の手続きを行います。

 

相続人の家族構成で変わる基礎控除の事例を紹介

 

さらに例をあげましょう。たとえば、両親と子ども2人の4人家族で、父親が亡くなった場合では、

相続人は母親と子ども2人の計3人です。

したがって、基礎控除の金額は、以下の通りです。

3,000万円+(600万円×3人)=4,800万円

 

では、両親と子ども2人の4人家族で、孫1人を養子とし、父親が亡くなった場合はどうでしょうか。

法定相続人は母親と子ども2人、孫兼養子1人の計4人です。

基礎控除の金額は、3,000万円+(600万円×4人)=5,400万円となります。

ただし、被相続人より先に相続人が亡くなっている場合の、

相続人の子が相続する代襲相続以外で、養子である孫が法定相続人になるときには、

孫の相続税の納税額が2割加算となるため税額の計算に注意しましょう。