公示地価、基準地価と路線価 何が違うのか、どう活用するのか

土地の取引や相続税、贈与税の算定などで必要になるのが土地の評価です。では、土地の適正価格を調べる場合、何を基準にしたらよいのでしょうか。今回は、土地の価格として公表されている『公示地価』『基準地価』『路線価』の違いや活用方法を説明します。

土地取引の指標か税金の基準か
土地を評価する目的が異なる

 『公示地価』『基準地価』『路線価』は、いずれも公的機関が公表している土地の価格です。

 公示地価は、土地取引の指標として、国土交通省土地鑑定委員会が主体となり、毎年1月1日時点の評価が3月中旬頃に公表されます。対象は基本的に都市計画区域内ですが、区域外でも不動産の取引が行われると予想される土地は含まれます。

 基準地価は、各都道府県が主体となり、毎年7月1日時点の評価が9月下旬頃に公表されます。都市計画区域以外も対象となるので、土地取引の指標として、公示地価と補完関係にあります。

 路線価は、国税庁が主体となり、毎年1月1日の評価が7月1日に公表されます。一般的に路線価と呼ばれているのが『相続税路線価』で、相続税や贈与税を算出する際の基準となります。一方、市町村が固定資産税などを算出する際に基準となる路線価は『固定資産税路線価』と呼ばれ、毎年4月初旬に公表されます。

土地の売買で目安となるのは公示地価と基準地価

 次に、公示地価、基準地価と路線価(相続税路線価)の活用方法を見ていきましょう。公示地価と基準地価は、土地の売買の際に適切な売買価格かどうかを判断するうえでの目安として活用できます。

 ただし、実際の売買価格は、立地や周辺環境などにより変動するため、必ずしも公示地価や基準地価と一致するとは限りません。

 路線価は、土地を相続して相続税を計算するときや土地の贈与を受けて贈与税を計算するときのほかに、金融機関で融資を受ける際に土地を担保にするときにも活用できます。土地を担保にしてお金を借りる場合は、路線価を参考にすることで簡易で個別検討することができます。

 このように、公示地価、基準地価、路線価はどれも公的機関が公表する土地の価格ですが、用途が異なっています。目的や活用する場面に応じた土地の価格を参照するようにしましょう。