インフレ時代に備える資産防衛 現預金リスクと分散投資戦略

近年の物価上昇が続くインフレ時代では、資産を現預⾦のみで保有していると、実質的な購買⼒が⽬減りするリスクがあります。今回は、インフレが資産に与える影響と、インフレによる資産の減少を防ぐための分散投資戦略について説明します。

インフレが資産に与える影響現預⾦のリスクとは

 インフレ(インフレーション)とは、需要と供給の不均衡や、原材料価格の⾼騰などにより、継続的に物価上昇を引き起こす経済現象のことです。インフレが進むと、⾷料品や光熱費、交通費などの価格が上がり、家計への負担が増します。それだけでなく、現預⾦の価値が相対的に低下し、固定⾦利の債券などの実質的な収益が減少するという資産⾯での影響もあります。

 特に、インフレ率が預⾦⾦利を上回る場合には、現預⾦の実質的な価値は減少します。⽇本の過去50年間(1973年〜2022年)の平均インフレ率は2%強でした。仮にインフレ率が預⾦⾦利を2%上回る状態が続いた場合、100万円の現預⾦の実質的な価値は10年後に約82万円に減少する計算になります。

 このようなリスクを避けるため、現預⾦だけでなく、株式、不動産、⾦(ゴールド)、外貨など、インフレに強いとされる資産へ分散投資することが重要です。たとえば、株式は、企業の売上や利益が物価上昇と連動して伸びる場合、株価の上昇が期待できる投資先です。また、不動産は、それ⾃体に価値がある実物資産であり、家賃収⼊や物件価格がインフレに連動する傾向があります。

 ⾦(ゴールド)も、インフレ時に価値が上昇する傾向があり、安全資産として認識されています。そして、外貨は、インフレ時に⽇本円の通貨価値が下がると相対的にその価値が上がる場合があります。

インフレに負けない資産分散投資戦略

 インフレ耐性のある資産への投資をする場合、分散投資が基本となります。⼀つの資産に偏るのではなく、異なる特徴を持つ資産を組み合わせること(資産の分散)で、価格変動のリスクを抑えることができます。

 たとえば、株式は、リスクは⾼いですが、流動性が⾼く、収益性が期待できます。⼀⽅、不動産は、流動性は低いですが、リスクは低く、安定した収益性が期待できます。

 資産運⽤を⾏う際は、⾃⾝のライフステージや投資⽬的、リスク許容度に合わせたポートフォリオ(資産の組み合わせ)が重要です。たとえば、独⾝の⽅は資産を増やす⽬的で株式の⽐率を⾼める、⼦育て中の⽅は安定した資産運⽤のために不動産や⾦への⽐率を⾼める、などが考えられます。

 また、資産の価格変動に応じて定期的にポートフォリオを⾒直すことで、適切な資産配分を維持することができます。市場の変動に冷静に対応し、経済情勢や⾦融商品情報を定期的に確認することで、⻑期的な視点を持った持続的な資産運⽤を⼼がけることが⼤切です。

 インフレ時代に資産を守るためには、現預⾦のみでの運⽤はリスクがあることを理解し、株式、不動産、⾦(ゴールド)、外貨など、多様な資産へ分散投資をすることが重要です。資産の特徴を理解したうえで、⾃⾝のライフスタイルやリスク許容度を考慮しながら、⻑期的な視点で資産運⽤を⾏いましょう。