6.準確定申告を行う - 相続が発生してから相続税を申告するために行う8つのこと

相続が発生してから相続税を申告するために行う8つのこと~6.準確定申告を行う

相続に際して気にしなければいけないのは、相続税だけではなくて、所得税もあります。
実は被相続人の生前の所得に対しては所得税がかかります。
所得税を申告し、納税するためには、確定申告を行わなければいけません。
しかしながら、被相続人は自分で確定申告を行うことが出来ません。

そこで、相続人が代行して確定申告を行います。
この確定申告のことを「準確定申告」といいます。
準確定申告は、申告する期間が相続の開始があったことを知った日から、4カ月以内に行うとされています。
これは通常の確定申告の期間と異なるので注意が必要です。

準確定申告の対象期間

たとえば、定年後の所得の確定申告を行う場合、対象とされる年の1月1日から12月31日までを期間として、翌年の3月15日までに所得税を納めるとされています。

ところが、準確定申告の場合は、その年の1月1日から亡くなった日までが対象期間となります。
その期間内に発生した所得で所得税を計算して、相続発生後、4カ月以内に申告書を提出して所得税を納付する必要があれば納付します。
ちなみに、被相続人が給与所得者である場合には、準確定申告の手続きは不要である場合が多いといいます。
なぜならば、勤務先が被相続人の給与所得に合わせて、年末調整を行ってくれるからです。
なお、年金の準確定申告は、相続開始日までに支給を受けたものが準確定申告の所得対象になります。

一方、被相続人が事業を営んでいて、消費税の課税事業者であった場合、消費税の申告手続きもしなければなりません。

準確定申告書の提出で注意すべきポイント

準確定申告の申告書の提出は被相続人が納税していた所轄の税務署にて行います。
提出の際には、相続人全員での共同提出が原則となっているため、相続人が2人以上いる場合には、次のような記載が必要です。

まず、相続人全員が連署と押印をします。
次に対象期間内の所得で所得税の納税がある場合は、納税の際の相続人間の負担割合を申告書に記入する必要があります。
税金が還付されるようであれば、必ず還付口座を記入しておくことが大切です。
他の相続人の氏名を書いて提出することもできますが、申告書を提出した相続人は、他の相続人に申告した内容を通知することが義務づけられています。

不動産などの収入がある場合の準確定申告

被相続人が不動産業を営んでいて、地代や家賃、更新料などの収入がある場合は、どの時期に所得として申告すればいいのでしょうか?
地代や家賃、更新料の場合は、基本的には定められた支払日に収入にする、ということが決められています(支払日が決められていない場合は、実際に支払いを受けた日となります)。
具体的な事例で紹介をしましょう。
家賃の支払いの契約が「当月末までに翌月分の家賃を支払う」となっている場合で、被相続人が6月30日に亡くなったケースがあるとします。
この場合、7月分の収入は被相続人の不動産所得に含まれることになります。

賃貸用不動産には、固定資産税や都市計画税がかかります。
相続が開始され、被相続人が不動産所得を得ていた状態で、これらの税金はどのように処理をすればいいのでしょうか?
固定資産税や都市計画税の場合、相続のスタート時に納税義務が確定して、未納になった場合は相続税の債務控除の対象になります。

準確定申告で間違いやすい所得控除

準確定申告で間違いやすいのが所得控除です。
なかでも最も多いのが、「医療費控除」です。
医療費控除の対象になるのは、「死亡の日までに被相続人が支払った医療費」が対象になります。

ところが、多くの人が間違ってしまうのが、被相続人が亡くなった後、相続人が病院に支払った医療費が控除されると考えてしまうことです。
控除されるのは、あくまでも被相続人本人が支払った医療費なのです。

よくあるケースでは、被相続人の生前の入院費用を死亡後に相続人が精算するというケースです。
入院費用を被相続人のために支払ったとはいえ、このケースでも準確定申告のときに控除されません。
ただし、被相続人の死亡後に支払ったものは、相続税の申告時に被相続人の債務として債務控除の対象にすることができます。

医療費控除と同じように注意すべきなのは、「社会保険料」「生命保険料」「地震保険料」などの控除です。
これらが控除される金額はあくまでも、被相続人が死亡の日までに支払った金額になります。
本人の死亡後に支払われた金額は控除されません。
たとえば、被相続人が6月30日になくなっていた場合、1年間の半分が控除の対象になるのです。

配偶者控除や扶養者控除が適用されるかどうかは、被相続人の死亡の日の現況によって判断します。
たとえば、被相続人と生計を一つにしていたかなどを相続開始日の時点で判断します。