事故や災害等で複数の親族が同時に亡くなった場合、亡くなった順番がはっきりしているならば、その順番通りに相続が行われます。
例えば図のように、Aとその長男Dが自動車で出かけて交通事故に遭い、2人とも亡くなったとしましょう。病院に運ばれた後、それぞれ死亡した場合、どちらが先に亡くなったかで相続人が変わってきます。
Aが先に亡くなり、その10分後にDが亡くなったとします。
Aの相続人はDのみになり、Dの相続人にあたる嫁EがAとDの財産を相続します。
一方、Dが先に亡くなり、その10分後にAが亡くなったとします。
その場合、Dの相続が先に始まり、EがDの財産の2/3、Aが1/3を相続します。続いて、二次相続としてAの相続が開始し、Aの財産(Dから相続した財産を含む)を妹Cが相続することになります。
旅客機事故や天災などで、どちらが先に亡くなったか不明なことがあります。その場合は民法第32条の2により、同時に死亡したものと推定されます。
この図のケースで、AとDが同時に死亡したと推定されると、互いに相続人になることはありません。AとDの間に相続は発生せず、Aの財産はすべて妹Cが、Dの財産はすべて嫁Eが相続することになります。
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