事業を行なっていると売掛金や貸付金といった債権を持っていることも少なくありません。債権は資産として考えられているので、そのまま相続が発生しますと相続税の課税対象になります。
今回のケースのように債権回収が見込めない場合は、相続税のことを考え、生前に債権放棄をしようとする方もいらっしゃるでしょう。債権を放棄すると、法律上では債権者から債務者へ債権が贈与されたことになります。利益を受けた債務者は贈与税を支払わなければいけません。
この贈与税を債務者が支払えないとなると問題です。贈与税には連帯納付義務があり、債権者が贈与税を支払うことになります。
もちろん、贈与税が免除されることもあります。それは債務者がすでに債務超過の状態にあり、債務者が贈与税を支払える可能性が著しく低い場合です。ただし、債務者が少額でも返済をしていると贈与税が発生してしまいます。
贈与税の税率は相続税よりも高いことで有名です。
債権放棄をしないで相続税を支払った方が、節税になるケースもあります。専門家にシミュレーションをしてもらった方が、より効果的な節税対策ができるでしょう。
債権の相続について悩んでいる方は、専門家までお問い合わせください。