経営権や自社株式など、会社のヒト・モノ・カネを後継者に引き継ぐ“事業承継”を完遂するには、
一般的に5年~10年の月日が必要だといわれています。
そのため、今回から数回にわたり、
事業承継をテーマに税制や成功の秘訣などをお伝えしていきます。
まず初回は事業承継の現状と、政府の対策についてご紹介します。
下記表の『中小企業の経営者の年齢分布』を見てみると、
1995年には47歳だった“中小企業の経営者年齢のピーク”は、2015年には66歳まで引き上がっています。<
また、経済産業省が2017年10月に発表した『中小企業・小規模事業者の生産性向上について』によると、今後10年の間に70歳(経営者の平均引退年齢)以上の中小企業経営者は約245万人となり、うち約半数の127万人が後継者未定といわれています。
この数は全中小企業者の約60%を占め、さらに日本企業全体の約3割に相当します。
仮に、現状を放置すると、中小企業廃業の急増により、2025年頃までに累計約650万人の雇用・約22兆円のGDPが喪失すると経済産業省は見込んでいます。
このような背景を理由として、政府は平成29年に『事業承継5ヶ年計画』を策定。
今後5年程度を事業承継支援の集中実施期間と定めました。
具体的には、“早期承継のインセンティブの強化”や“後継者マッチング支援の強化”などにて事業承継を促進させる狙いがあります。
後継者マッチング支援については、全国の商工会・商工会議所等に設置された
『事業引継ぎ支援センター』等の地域プラットフォームを確立することで、小規模M&Aを行える環境を整備していくようです。
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