「自分が死んだ後、信頼できる人にペットの世話をお願いしたいけど、誰にどう依頼したらいいんだろう……?」
近年、頼れる身寄りがなく、猫や犬といったペットと2人(=1人と1匹)で暮らしている高齢者も少なくありません。
このような方にとって、ペットは家族と同等もしくはそれ以上に大切な存在だといいます。
前回の『わらしべ長者』に続き、今回は『花咲か爺さん』にそって、“ペットを遺す際の遺産相続の準備”についてご紹介します。
♪“裏の畑で ポチがなく
正直じいさん 掘ったれば
大判 小判が ザクザク ザクザク”
これは、童謡『花咲か爺さん』の一節です。
『花咲か爺さん』は、心優しいおじいさんが、飼い犬“ポチ”のおかげでお金持ちになる、というお話。
昔話では、ポチは隣に住む欲張りなおじいさんに殺されてしまいますが、童謡ではその辺りが明らかにされていません。
仮に、ポチが殺されず、飼い主のおじいさんよりも長生きした場合、どうなるのでしょうか?
「自分が死んだ後、我が子のように可愛がってきたポチの面倒をちゃんと見てくれる人はいるんだろうか?」
「欲張りなおじいさんに、いじめられたりしないだろうか?」
と、おじいさんは心配で仕方ないでしょう。
実は、近年こういった悩みを抱える方が多いようです。
解決策として最初に思いつくのが、“誰か信頼できる人にお願いしてはどうか?”という案です。
仮におじいさんに疎遠になっている息子がいたとします。
しかし、ほとんど顔を見せない息子にポチの世話をお願いしたとしても、本当に世話をしてくれるでしょうか?
では、遺言書を作成し、十分なお金を遺す代わりにポチの面倒を見るようお願いしてみてはどうでしょう。 しかし、これでもまだ、おじいさんとしては不安が残ります。
息子さんがおじいさんの遺言に反し、ポチの面倒を見ず、お金だけ持っていったとしても、ポチを救ってやれるおじいさんは、もうこの世にいません。
ペットの世話というのは、実際にそのペットと一緒に住んでいた人や、ペットを飼ったことのある人でなければ、いざ飼おうと思っても上手くいくとは限りません。
そこで、このような問題を解決する万能策として近年注目されているのが、“信託”という制度の利用です。
▽その肝となる部分は丁寧に解説することが必要なので下記の記事をご覧くださいませ。▽
『花咲か爺さん』の遺産が“ポチ”だったら(2)
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