相続税で頼れるプロを選ぶ3つの方法

相続税で頼れるプロを選ぶ3つの方法

「税理士」は税金の専門家です。
「少なく見積もっても、相続財産が基礎控除の額を超えていそうだ、相続税が心配だ」というように相続にもかかわる税金で不安を抱えている人は、税理士に相談するのが一番だと思います。

まずは税理士に相談をしてみる

たいていの税理士には、顧問弁護士がついています。
優秀な税理士なら、調停や裁判になれば、自分から顧問弁護士を紹介してくれますし、簡単な相談なら、弁護士に尋ねたうえで、正しい回答を無料で答えてくれるはずです。

また税理士は、登録するだけで行政書士になることができ、相続を専門にしている税理士は、税理士とともに行政書士として開業している場合があります。
相続税の申告時には、行政書士が行う業務も含めてサポートしてくれる税理士事務所もありますので、その範囲をカバーしてくれるかどうかも確認してみましょう。

節税案のセカンドオピニオンを持とう

税法と一口にいっても非常に大きな体系となるため、それぞれの専門家でないと現実的には対応しにくいのが実情です。
自営業の方で、日頃、所得税や消費税を中心に相談にのってもらっている顧問税理士がいても、その先生が相続税の専門家であるかどうかは別問題です。
一般的に税理士が100人いたら、相続税に強い人は、2、3人しかいないと言われます。
だからこそ、相続税に関する知識と実務経験が豊富な税理士に依頼をしなければならないのです。
依頼するにあたっては、その税理士が担当した相続の申告件数を調べるというのもひとつの方法です。

相続税を専門とする税理士と他の税理士の一番の違いは、節税案を提案してくれることです。
相続税を専門としている税理士は、基本的には、その案件だけのスポット契約となります。
ですから、相続についてさまざまな案件をこなしている分だけ、税務署が納得しやすい、具体的な節税策をいくつか提示してくれるはずです。
相続税に強い税理士を探すには、知人や友人から紹介してもらう方法のほかにインターネットで探すという方法があります。

また昨今では雑誌などで相続の特集が組まれることも多いので、そこで取り上げられている税理士をチェックするというのもいいかもしれません。
相続関連の書籍もたくさん出ているので、それらを読んで相続の経験が豊富で、かつ自分と価値観の合う税理士を探すようにしてください。

インターネットでは報酬額で税理士を決めるという方法が主流になっていますが、これは問題が起きる原因かもしれません。
以前、次のようなケースを聞いたことがあります。
報酬額が安い税理士に依頼したところ、その税理士は相続税に詳しくなく、良い節税案を提案することができなかったそうです。
相続税の申告後に、相続税に詳しい税理士に相談してもらい、試算したところ、現状よりもさらに数百万円の節税ができることがわかりました。
このケースでは数百万円の節税でしたが、相続財産の規模によっては数千万円の差が出ることも珍しくはありません。
相続に強い税理士を選べるか、選べないかで大きな差が出て来てしまうのです。

自営業を営んでいる人などは、顧問契約をしている税理士に相続税のことを依頼するケースも多いようです。
顧問契約をしているから別の税理士に依頼することは気が引けると考えていらっしゃる方が多いのでしょう。
もちろん、まずは顧問税理士に相談をしてみるのがよいと思います。
しかし、それで終わらせずに、その方のアドバイスを聞いた上で相続税を専門とする税理士に相談をしてみることをオススメいたします。

医療の世界では大きな病気や重い病気の場合、かかりつけ医だけではなくて、専門医からのセカンドオピニオンをもらうのが主流になりつつあります。
税理士も相続という専門的な分野については、セカンドオピニオンをもらうのも問題はないと思います。

税理士に依頼するときのベストタイミングとは?

税理士を探し始める時期は、人によって異なると思いますが、当然、早く探し始めれば、その分じっくり探せるメリットがあります。
被相続人で、計画的に節税をしたいのであれば、できるだけ早くがいいでしょう。

相続人でも、早くから探すのに越したことはありません。
生前はもちろん、相続が起きたときでも、遅くても、初七日が終わる頃から探し始めたいものです。
相続放棄や限定承認を行う場合には、被相続人が亡くなってから3カ月以内に申請する必要があるからです。

相続について相談をするタイミングは、相続について関心をもったり、心配したりした、そのときです。
もちろん、生きている親の財産状況をすべて把握するのは、難しい面もあるでしょう。
ただし、話を聞いているうちに相続財産の概要はある程度把握することもできますし、主な相続財産が不動産の場合は、法務局に行けば登記簿から誰でも閲覧することができます。

相続に強い、良い税理士であれば曖昧な情報からでも、大まかな財産の割り振りや金額をサッと計算してくれたり、その後の対応を具体的に提案してくれたりします。
被相続人であれ、相続人であれ、相続税について考え始めたときが税理士を探し始めるベストタイミングといえるでしょう。