類似業種比準価額は、「類似業種の株価」に「1株当たりの配額」「1株当たりの純資産価額」を加重平均して乗じて計算します。
この3つの数値のうち1つでも下げられれば、類似業種比準価額を抑えることが可能です。
類似業種の株価が下がったときは贈与としてベストなタイミングですが、いつ下がるかはわかりません。意図して数値を抑えられるのは、1株当たりの配当と1株当たりの年利益金額です。
1株当たりの配当を下げようとして、無配にしてしまうと類似業種比準価額方式自体が適用されない恐れがあります。ですので、通常の配当を最小限に抑え、特別配当のような継続性のないものでカバーするとよいでしょう。
1株当たりの年利益金額を抑えるには、「現経営者に対して法人税の限度額いっぱいまで役員退職金を支給する」「経費性の高い保険(会社が受取人となる長期平準定期保険、逓増保険、養老保険)に加入する」などがあります。
もうひとつの方式である純資産価額は、利益積立金の蓄積による内部留保が多い場合や土地・有価証券の含み益があると評価が高くなってしまいます。
そこで、会社を分社化して含み益のある資産を移転したり、借入をして自社ビルや工場を新築したり※する手法があります。事前に対策を講じていれば、自社株の評価額を数分の1まで引き下げることは可能です。
自社株対策について検討されている方は、お気軽にお問い合わせください。