65歳以上の高齢者の4人に1人は、認知症及びその予備軍になると言われています。
もし自分の親が認知症になった時、遺産分割はどうするのか?
一つ間違えば、“争続”の原因にもなりかねません。
そこで注目されているのが 『民事信託』という制度です。今回はこの制度を紹介します。
民事信託とは、簡潔に言うと、家族や親族に親の財産の管理を任せる制度のことです。
自筆証書遺言の場合、原則としては親の財産を把握することもできませんし、誰にどのように分配されるのかは親が亡くなった後にしかわかりません。また、遺言によって分割される遺産の運用実態も把握することができません。
しかし、民事信託であれば、親が生存している時から2代、3代、その先まで、
設定した信託目的や信託契約内容に基づき、受託者による財産の管理運用ができるというのが特徴です。
民事信託は家族構成やその目的によって内容が異なるため、全てオーダーメイドとなります。
専門家が民事信託の構成を考え、費用は数十万円から可能です。
民事信託を利用する場合、まず専門家が親の財産について聞き取り調査をします。
そこで作成された財産目録をもとに、家族や親族が集まって、財産運用から相続に至るまで、その家族の実情に合わせた信託契約書を作成します。
そして、相続人である子どもなどが親の財産を管理することになります。親の介護費用や生活費は子どもたちが管理している信託財産から供出します。
相続が発生したときは、生前に作成した信託契約書通りに遺産分割が行われるのです。
生前に財産の運用から、遺産分割、場合によってはその先の相続まで家族が納得した状態で進められるので、相続がスタートしても争いになりません。
例えば親が認知症になったとします。
その場合、成年後見人を立てれば財産の処分は可能ですが活用はできません。
しかし、民事信託を利用して、子どもが親の財産の管理を委託されていれば、信託契約の目的通りに財産運用も可能です。
争いを避けるための民事信託制度。ぜひ、利用してみませんか?
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