その土地、適正な評価額ですか  不整形地・角地・私道の評価法

相続税における土地の評価は、単純に「路線価×面積」では決まりません。不整形地(形がいびつな土地)、複数の道路に接する角地、私道負担のある土地などは、評価額が大きく変わる場合があります。今回は、見落としやすい3つのケースを解説します。

形状と接道状況で差がつく 不整形地・角地の評価基準

 土地は、一般的にその形状によって利用価値が異なります。
 正方形や長方形のように形がきれいに整っている整形地に対して、いびつな形状の土地を不整形地といいます。間口が狭く、奥に敷地が広がる形状をした「旗竿地」や、「三角形に近い土地」、「台形地」などがその代表です。 
 不整形地は、整形地と比べて利用価値が劣るため、相続税評価額が減額されます。
 具体的には、国税庁が定める「不整形地補正率表」に基づく補正率(0.60~1.00)を乗じて評価額を算出します。地区区分と不整形割合に応じて、形がいびつなほど低い補正率が適用されるようになっています。 
 また、同じ面積や路線価でも、道路との接道状況で評価は変わります。特に注意が必要なのは角地です。角地とは、2本の道路が交差し、またはT字路のように接続している場所にあり、土地の正面と側面が道路に接している土地のことをいいます。角地は一般的に利便性が高いため、原則として「側方路線影響加算率」を乗じて評価額を加算します。
 
 なお、1本の折れ曲がったL字型の道路の内側にある土地は、準角地として、適用される加算率が異なります。ただし、角地として加算するには、『角地としての効用』を有することが要件です。2本の道路に接していても、道路との間に著しい高低差があり、物理的にその道路から土地へ進入できないなど、実際の利用価値が高くないと判断される場合は、加算対象外となることがあります。

見落としやすい評価減 私道の評価と確認の視点

国や自治体が管理する公道に対し、個人などが所有し維持管理している道路を一般に私道といいます。敷地のほかに自分や近隣の人が道路として使用している土地を保有または共有している状態や、敷地の一部にこうした道路が含まれている状態を私道負担といいます。
 この私道負担部分は、利用制限を受けるため評価額を減額することができます。具体的には、その先が行き止まりになっている道路など特定の人のみが使う私道の場合、評価額は隣接する宅地として評価した価額の30%で計算します。一方、公道から公道へ通り抜けできる道路のように不特定多数が通行する私道に該当すれば、公共性が高いため評価額は0円(非課税)となります。不特定多数の通行に使われているかどうかについては、道路の幅員などの明確な基準はなく、実際の利用状況に基づき実質的に判断されます。 
 私道の評価には、登記事項証明書・公図・測量図などの資料の確認と現地調査が不可欠です。所有形態(単有か共有か)に加え、建築基準法上の道路に該当するかどうか、該当しない場合の接道状況、セットバック(道路後退)の要否なども、土地の評価に影響します。
 
 土地の形状や接道状況は、路線価図だけでは判断できません。いずれのケースも机上の計算だけで即断せず、資料と現況を照らし合わせることが重要です。
 また、「相続税評価額」と、実際の「市場売却価格」は必ずしも一致しないということも念頭に置いておきましょう。