来たるべき相続に備え、
所有する不動産で節税や収益の仕組みをできるだけつくっておきたいもの。
昨今は土地所有者の高齢化が進み、相続対策としての土地活用が急務となっています。
従来はアパートやコインパーキングなどが主流でしたが、
近年は活用方法にも変化が生じています。
今回は、最近の土地活用についてお伝えします。
自宅の土地を相続対策として活用する方法は、以下の通りです。
・二世帯住宅に改築する
自宅を二世帯住宅にして推定相続人と住むことで、小規模宅地の特例による相続税の節税対策が可能になります。
小規模宅地の特例は区分所有登記されていなければ、住宅の玄関などが別で完全に分離していても適用されるケースが多くなっています。
懸念点は、建て替え費用がかかることです。
・マンションに建て替える
自宅をマンションに建て替えて、その一室に住むことで、ほかの部屋からの家賃収入が見込め、建物の管理もしやすくなります。
部屋ごとに建物や土地の区分登記をしておけば、将来的に一部売却も可能です。
一方、区分登記をしておかなかった場合は、土地を一旦相続人の共有としてから遺産分割協議で所有者を決めなければならず、揉める可能性があります。
空室や修繕費の計画も視野に入れておくべきでしょう。
自宅以外に土地を所有している場合は、下記の方法が考えられます。
・マンションを建てて賃貸に出す
建物を建てることで土地の固定資産税評価額や土地の相続税評価額の低下が見込めること、家賃収入が継続して入ってくることが利点です。
一方で、やはり空室や修繕費のリスクは無視できません。
・高齢者向けの施設に土地を貸す
郊外に広い土地を所有しているケースでは、高齢者向け施設などに土地を賃貸するという活用法も考えられます。
自身が事業をせず土地を貸すだけなら、資金を借り入れるリスクもありません。
また、最大20年という長期契約も可能なため、安定収入が見込めます。
ただ、ほかに収益性の高いモデルが見つかったときに転換しにくいことなどがリスクです。
被相続人、相続人の高齢化により、孫世代への相続は思った以上に早く来る可能性があります。
相続対策として土地活用をするときには、孫世代以降のことも視野に入れ、長期的な計画を立てたいものです。